基礎知識
戦闘関係
※この検証の発端は、低レベルクリアに挑戦されているおてつ様のポストであり、数々の情報に厚く感謝する次第です。
前ページの向きによる補正の続き。
最終編のピュアオディオが使う「キャンセラレイ」には、90度回転・180度回転・吹き飛ばしの追加効果があり、「キャンセラレイ」を食らうとだいたいどれか(または複数)が発生する。
向きによる命中・ダメージ量補正は、これら向き変え可能なスキルが当たる前の向きと、当たった後の向きのどちらで判定になるのだろうか?
また、前ページでは、向きによるダメージ量の差がほとんど存在していなかったが、「キャンセラレイ」のようにそれなりのダメージ量が入るスキルだと、どれほどの差になるだろうか。
命中率については、味方のレベルを相当上げないと「キャンセラレイ」の回避は難しいと思われるため、ここではひとまず横におく。
最終編クリアデータを使い、アキラをパーティに入れた状態でラストバトルに挑む。
今回のクリアデータでのアキラのレベルは19(後に詳細なデータを掲載している)。
オディオ戦は「コーラのビン」で適当に戦い、途中でアキラ以外のキャラを戦闘離脱させ、アキラひとりでピュアオディオ戦へ。
ピュアオディオ戦は以下の配置で統一する。
この位置ならピュアオディオは「キャンセラレイ」しか出してこない。
ピュアオディオに対し、アキラの向きを「正面」→「側面」→「背面」→……と変えながらそれぞれ100回ずつ、ダメージ量と攻撃された後の向きを記録した。
上図なら、アキラ右上向きなら「正面」、右下または左上向きなら「側面」、左下向きなら「背面」。
90度回転・180度回転が発動するかどうかは確率なので、上の方法だと攻撃された後の向きは側面になる確率が圧倒的に高い。
ダメージの回復はバフもデバフもかからない「セルフヒール」。「セルフヒール」の回復量で「キャンセラレイ」のダメージは充分回復可能なので、ピュアオディオを倒さない限り何回でも「キャンセラレイ」のダメージを計測可能。
なお、アキラのレベルが19(回避29)だと、今回の測定中、どの向きでも「キャンセラレイ」はすべて命中した。
全データはlal_canselray - Googleスプレッドシートを。
アキラのデータは以下の通り。
| アキラのステータス | |
|---|---|
| レベル | 19 |
| HP | 389 |
| 物攻 | 30 |
| 物防 | 58 |
| 特攻 | 99 |
| 特防 | 83 |
| 素早さ | 41 |
| 命中 | 29 |
| 回避 | 29 |
| 武器 | グラブ(+4) |
| 頭 | (なし) |
| 腕 | (なし) |
| 体 | (なし) |
| 足 | (なし) |
| アクセサリ | (なし) |
| キャンセラレイ前の向き | |||
|---|---|---|---|
| 正面 | 側面 | 背面 | |
| 平均 | 159.96 | 164.54 | 166.51 |
| 最大 | 187 | 197 | 202 |
| 最小 | 126 | 132 | 135 |
| 最大÷最小 | 1.484 | 1.492 | 1.496 |
| キャンセラレイ後の向き | |||
|---|---|---|---|
| 正面 | 側面 | 背面 | |
| 平均 | 166.05 | 162.34 | 165.02 |
| 最大 | 201 | 202 | 197 |
| 最小 | 132 | 126 | 128 |
| 最大÷最小 | 1.522 | 1.603 | 1.539 |
「キャンセラレイ前の向き」と「ダメージ量」を見ると、ダメージ量が正面<側面<背面となっており、最大÷最小がどれもだいたい1.5弱くらい。
ここまでの推測で、ダメージ量は計算値に乱数を掛け算した値になり、乱数のブレは0.8 ≦ (乱数) < 1.2と思われる。
つまり、計算値×1.2-1が最大値、計算値×0.8が最小値となっているようなのだが、「キャンセラレイ前の向き」は、正面ダメージ量の計算値を「157」、側面ダメージ量の計算値を「165」、背面ダメージ量の計算値を「169」とすると、今回の計測と計算が合う(小数点以下は四捨五入)。
一方、「キャンセラレイ後の向き」と「ダメージ量」を見ると、ダメージ量最大は背面<正面<側面、ダメージ量最小は側面<背面<正面と食い違っている。最大÷最小は1.5を少し越えている。
以上から、ダメージ量の正面<側面<背面が成立している、「向き変え可能なスキルの向き判定は、向き変え技をくらう前」が正しいと思われる。
少なくともダメージ量計算はこれが成り立っているだろうが、命中・回避判定まではわからない。
また、前ページとは異なり、明らかに向きによるダメージ量補正が存在している。
今回はアキラだけ検証したが、おそらくキャラにより補正の度合いは異なるだろう。
今回の結果では、正面ダメージ量を基準とした時、ダメージ量は側面だと+8、背面だと+12されていることになる。
割合としては、側面だと+5%程度、背面だと+7.5%程度。
前回の「手裏剣乱糸」の検証では、1ヒットあたりのダメージ量が30~40程度であり、+5%しても数値としては+1~2程度である。
このため、ダメージ量が小さいと、向きによるダメージ量変化があまり見られなかったのかもしれない。
側面補正及び、背面補正の計算がどのようにして行われているのかはわからない。
単純に正面ダメージ量計算値に1.05や1.075を掛け算して四捨五入、という形かもしれないし、それ以外かもしれないのだが、前ページのSFC版における向き補正値を見ていただきたい。
アキラの場合、側面補正が2、背面補正が3である。
今回の側面での補正+5%を1.5倍すると背面の補正+7.5%と一致するが、SFC版でも、側面補正の2を1.5倍すると背面補正の3となる。
これが偶然かどうかは、他キャラでも検討してみないとわからない。
ダメージ量そのものが、乱数によって±20%のブレが生じており、これに比べると向き補正の+5%~+7.5%は小さいのではあるが、それでも命中・回避率と共にダメージ量の増減にも関わることは確実であるので、キャラの向きには気を配りたい。