TOP > 元ネタ&雑学 > 幕末編

元ネタ&雑学 > 幕末編

元ネタ&雑学のトップページをお読みの上で、以下を御覧ください。

時代劇・忍者モノのお約束、フィクションならではの「架空の日本」ネタが多く見られる。
幕末編開始時の刀の効果音「ザシュッ」自体、時代劇ならではの効果音である(実際に日本刀を抜いた時や斬った時にあのような音はしない)。
髪型である「ちょんまげ」が頭防具として扱われているのも、「時代劇で役者がちょんまげのついたカツラを被る」というメタなネタからかもしれない。

幕末編には、歴史上実在した人物がほぼそのままの名称で複数人登場するが、もちろん史実を元に脚色されている。
また、歴史上の人物は新たな資料が見つかるなどして研究が進み、時代により人物像の解釈が異なることにも注意したい。
(本作でいえば、「淀君」の名称はリメイク版発売の2022年にはほとんど使われず、「淀殿」が一般的である、など)

忍び(忍者)

幕末編主人公のおぼろ丸をはじめ、多数の忍者(女性ならくの一)が登場するが、忍び装束、一人称が「拙者」、語尾の「ござる」、ほぼ妖術か魔法扱いの「忍法」など、歴史上の実際の忍びとは異なる、創作上の忍びが元ネタとなっている。
現在の日本における創作上の忍びは明治~大正期の文庫本シリーズ「立川文庫」内の「猿飛佐助」「霧隠才蔵」あたりから生まれ、特撮映画やドラマ、漫画、アニメと続いてきた。
ヒーロー物(子ども向け)忍者作品として、ビジュアルや演出面での影響が大きいのは1960年代に生まれた名作群であり、忍者を描いた時代劇「隠密剣士」、白土三平氏による漫画「忍者武芸帳」「サスケ」「カムイ伝」、横山光輝氏の「仮面の忍者 赤影」「伊賀の影丸」、1960年代に漫画版が発表され、1980年代にはアニメ版がヒットした藤子不二雄氏の「忍者ハットリくん」などではないかと思われるが、そのあたりの歴史まで触れるのは本項目の趣旨からだいぶ外れるため、興味があれば調べてみていただきたい。
本作において創作上の忍びからのネタとしては、後述の忍法、手裏剣系のスキル、巻き物アイテム、カギ縄など多数存在している。
また、舞台となる尾手城は、忍者屋敷の要素も混ざっており、「どんでん返しの扉」「落とし穴」「隠し通路」なども豊富である(これら仕掛けは創作ではなく実在したものが大半)。

創作物の忍者においては、「抜け忍」をテーマにした作品も多く、組織を抜けた忍者がかつての仲間に執拗に追われるというシリアスな作風であることが多い(抜け忍キャラが脇役である場合は除く)。
本作における抜け忍ルートも例外ではなく、必ずバッドエンドとなる。
上で紹介した白土三平氏は、「カムイ外伝」で抜け忍の逃亡の日々を描いている。
また、近未来編デザイン担当の島本和彦先生は、原作・雁屋哲氏で初の連載作品「風の戦士ダン」を発表しているが、こちらは現代を舞台とした忍者漫画で、主人公たちはある事情から途中で抜け忍となる。原作の雁屋哲氏によるシリアスなストーリーの骨組みに加えて、島本先生による少年漫画らしいギャグテイストも混ざった作風となっている。

同じスクウェアのゲームでは、ファイナルファンタジーシリーズに初期から忍者が登場している。
西洋風ファンタジーの世界観ながら忍者など和風キャラが存在するのは、コンピュータRPG初期の名作「ウィザードリィ」の影響であろう。
忍者系キャラ(またはジョブ)の強さは作品によりまちまちだが、3~4作目あたりで「二刀流」「重装備はできないが回避能力や素早さが高い」「忍法系の何らかの技が使える」「投擲系の専用コマンド『投げる』」などの特徴が確立しており、おぼろ丸の「速/素早さ」の高さや、装備、技のラインナップに共通点が多い。

なお、「忍者」は昭和30年代(1960年前後)以降、小説などに使われて普及した呼称であるとのこと。
幕末編で「忍者」という言葉が使われるのは、ネタ要素の強い「五忍者」と、外国人のセリフ(SFC版だと「エネミ~ ニンジャ!!」、リメイク版だと「Enemy NINJA!!」)くらいで、他は古来からの名称「忍び」が使われている。
最終編ではおぼろ丸を主人公にした際、高原日勝から「忍者」と言われるシーンがあるが、高原は現代人なので、あえてこの表現かもしれない。

忍法

忍法 - Wikipedia

創作上の忍びネタのひとつとして、本作には「水遁の術」「火遁の術」など数多くの忍法が登場する。
(本来、「~遁」という遁術は、逃走時の足止めとして使う術を指すが、本作を含め、フィクションではそのような扱いを受けていないことが多い)
ただし後述の「忍法火の鳥」など、忍法からの発展型(忍法のパロディ)が元ネタの場合もある。
ゲームに登場する忍法としてありがちだが、ほとんどが「何らかの属性の魔法」ポジションである。

九字護身法 - Wikipedia

創作では忍者が忍法を使う時に胸の前で印を結ぶのがお約束だが(おぼろ丸の技「修羅の印」のネーミングの元ネタでもある)、このポーズは「九字護身法」「摩利支天の法」が元ネタ。
おぼろ丸及びカラクリ丸の戦闘中のモーションにも反映されている。
一般的な九字護身法の順序は、九字の呪文に対応した九種類の印を結んで、最後に刀印を結んで四縦五横に格子状に線を書く、というものらしい。作法は様々らしいので興味があったら調べていただきたい。

おぼろ丸の場合は、「人差し指を立てた拳を握るようにもう一方の手で人差し指を立てる」というポーズが、戦闘のドット絵でもリメイク版の公式イラストでも描かれている(公式サイト)。
PS4, PS5, Steam版公式サイトの横向きのおぼろ丸のポーズは指を二本立てて両手を合わせているようである。
SFC版の攻略本、小学館の「ライブ・ア・ライブ 公式冒険ガイドブック」の青山剛昌先生によるイラストは、指を一本立てて両手を合わせている。
というように、ポーズがバラバラのように見えるのだが、実際には「九字護身法」の中の印のどれかが元ネタだと思われ、どれが正しいとかそういうことはない。
いずれにしても創作物では、現在残されている「九字護身法」からやや異なる形で描かれていることが多い。あくまでも元ネタである。

余談ではあるが、おぼろ丸の技にはSFC版当時から漢字表記が多く、ゲーム内ではほとんどの場合ふりがながないため、正確な読み方が不明なままだった。
一部の技はSFC版取扱説明書にふりがながふってあったのだが、「手裏剣乱糸」は「しゅりけんみだれいと」で、「忍法夢幻蝶」は「にんぽうゆめげんちょう」だったため、SFC版からのファンはこれが正しい読み方と考えてきた。
だがリメイク版ではボイスがついたため、「手裏剣乱糸」は「しゅりけんらんし」であり、「忍法夢幻蝶」は「にんぽうげんちょう」である、ということになった。
SFC版取扱説明書にはミスがいくつかあるため、SFC版取扱説明書でのふりがなが単純にミスだったという可能性もあるのだが、SFC版取扱説明書のふりがなはSFC版の時点では正しかったがリメイク版で読み方を変えた、ということももちろんあり得る。どちらなのかは不明である。

科学忍法・火の鳥

「忍法火の鳥」は、アニメ「科学忍者隊ガッチャマン」シリーズ(一作目は1972年~74年放送)の必殺技「科学忍法・火の鳥」が元ネタであろう。
SFC版では複数の火の鳥による攻撃だったが、リメイク版では巨大な一体の火の鳥の攻撃になり、より「科学忍法・火の鳥」っぽい演出になっている。
ただし、リメイク版でのスキルの説明は「炎の鳥たちを舞わせる」と、なぜか複数形になっている。

ガッチャマンの「科学忍法・火の鳥」は、下のアニメ「科学忍者隊ガッチャマン」第1話終盤で見ることができる。

【科学忍者隊ガッチャマン】 第1話 「ガッチャマン対タートル・キング」 - YouTube

スクウェアのゲームでは「ロマンシング サ・ガ」にてイフリートが使用する「火の鳥」の他、フェニックスまで含めるとファイナルファンタジーシリーズの召喚獣フェニックスまで、火の鳥関係の技は多数存在する。

毒霧

毒霧 - Wikipedia

プロレス技、というかプロレスの反則行為でありパフォーマンスのようなもの。
近未来編のプロレス中継での「ムトー」こと武藤敬司こと忍者モチーフのペイントレスラー、グレート・ムタも使用する。ここから、忍者キャラであるおぼろ丸の使用技として「毒霧」が設定された可能性がある。
元をたどると、アメリカで活躍した日本人東洋風レスラーの元祖であるザ・グレート・カブキが「毒霧」を得意としていたことから、東洋風レスラーといえば「毒霧」が定番技となった、という経緯がある。

大凧

オープニングでおぼろ丸が大凧で空を飛んでいるが、忍びが凧で空を飛ぶ創作物としては漫画・特撮作品の「仮面の忍者 赤影」(漫画:1966年~1967年連載、特撮:1967年~1968年放映)あたりから始まっていると思われる。
歴史上では大凧で名古屋城の金鯱の鱗を盗んだという(ただしあくまでも伝承)江戸時代中期の盗賊・柿木金助の話がある。
「仮面の忍者 赤影」では、第2話に初登場する忍者の白影が、敵の悪童子と大凧合戦を行う姿が描かれている。以下リンク先で見ることが可能。

仮面の忍者赤影 第02話[公式] - YouTube

上の第2話もそうだが、創作物において忍びが凧で空を飛ぶ場合、凧を自在に操って目的地に到達する、場合によっては凧に乗ったまま戦闘まで行う、という現実ではおよそありえないことまで描写されることが多い。創作かつ忍法であるからそういうものなのである。

鎖帷子(くさりかたびら)

鎖帷子 - Wikipedia

SFC版の「くさりかたびら」/リメイク版の「鎖帷子」は、ゲームではRPGでも定番の体防具(軽装備として扱われることが多いが、実際はそれなりに重量があるらしい)になるが、ここでは忍び関係のネタとして記す。
本作のおぼろ丸もそうだが、忍者といえば忍び装束の下に鎖帷子を着込んでおり、漫画では鎖帷子が体にフィットする網目模様のインナーのように描写されることが多い。
「黒装束に鎖帷子」という忍者の漫画的ビジュアルの先駆者は、1961年から連載を開始した横山光輝氏の漫画「伊賀の影丸」からではないかと言われているようである。画像検索か、下の電子書籍版の試し読みなどを見ていただくとわかるが、確かに1961年の時点で、現在まで続く「漫画的な忍者の外見」がほぼ完成していることがわかる。
胸や前腕部の網目模様のインナーが鎖帷子に当たるのだが、「こういう網目模様のシャツがある」という誤解も生じてしまったようである。連載漫画の作画の都合で、あまり複雑にすることができなかったというのが実際の理由であろうが……。

伊賀の影丸 (1) 電子書籍版 | ebookjapan

サイボーグ009

石ノ森章太郎氏原作の漫画(1964年~)、及びメディアミックス作品。
リメイク版発売にあたり、幕末編デザイン担当の青山剛昌先生が公式サイトのコメントで「おぼろ丸のデザインの元はサイボーグ009」と明かしている。
サイボーグ009、つまり島村ジョーがデザインの元ということだろう。片目が隠れた髪型やマフラーなどが該当すると思われる。

おぼろ丸

朧月 - Wikipedia

主人公の「おぼろ丸」の名前は、時代劇や忍者関係のサブカルチャーに「おぼろ」「(おぼろ)」がつくキャラクターや、「朧月夜」に関する技などが多すぎるので、由来をどれと絞り込むのは難しいし、それら含めて「創作でよくありそうな忍者のネーミング」ということかもしれない。
「朧」や「朧月」の意味は上リンク先などを参照。
「おぼろ」とひらがな表記なのは、「朧」の字が常用漢字ではないため、主人公の名前にもかかわらず読みにくいのを避けた(スーパーファミコンのゲームの主なターゲット層は小中学生あたりだっただろう)、といったあたりが考えられるが実際は不明。
(実際、現代編の「高原 日勝」は「日」の字は発音せず「たかはらまさる」だが、SFC版攻略本には開発スタッフによる「宣伝部からは子どもが読めないからやめろと言われた」と冗談交じりのコメントがあるため、主役クラスのキャラの名前は覚えやすくわかりやすいことが求められていたのであろう)
ひらがなで表記することによって柔らかい表現にした、という可能性もあるし、ひらがな表記の「おぼろ」由来の何かしらの元ネタも考えられる。
SFC版では「朧」の漢字が収録されていないため、主人公の名前を「朧(丸)」に変更することはできないが、リメイク版では可能になった。

船の名前につく「丸」の由来は何でしょうか - ことばの疑問 - ことば研究館 | 国立国語研究所

「~丸」という名前は、江戸時代以前、男子の幼名として使われていた。上リンク先など参照。
幕末編冒頭でおぼろ丸が「まだ荒削りだが見込みは一番」と評されている通り、成人前であることを示しているか、または忍びという特殊な立場ゆえの名前なのか(成人しても幼名を名乗る、特殊な社会もあったらしい)、いずれかだろう。

ハヤテ

変身忍者 嵐 - Wikipedia

忍者でハヤテといえば、創作物で最も有名なのは1972~1973年放送の特撮「変身忍者 嵐」(原作・石ノ森章太郎、漫画版あり)の主人公であるハヤテであろう。本作のハヤテの名前の元ネタになっている可能性がある(ただし「ハヤテ」や「疾風」はサブカルチャーにおいて汎用性の高い名称なので、他の元ネタも考えられる)。

また、「忍者ハヤテ」というそのものずばりなタイトーから発売のゲームも存在しており(アーケードゲームとして1984年発売のレーザーディスクゲーム)、妖怪までもうろつくからくり仕掛けの忍者の城に潜入する、と本作の幕末編と似通った内容ではあるが、こちらが本作の元ネタになっているかどうかはわからない。2023年にはNintendo Switch、2025年にはSteamに移植されている。

彼やおぼろ丸が所属している「炎魔忍軍」の名称は、忍者関係のサブカルチャーでもおなじみ、「風魔」や風魔小太郎が元ネタか。
または密教の「焔摩天(えんまてん)」や仏教の「閻魔(えんま)(大王)」といった、宗教用語からか。
少なくともアイテムや技の「風魔手裏剣」は「風魔」が名前の元ネタであろうが、「炎魔忍軍」まで元ネタかどうかはわからない。
「~忍軍」という呼称は、忍びの集団を指す言葉で、「真田忍軍」など実際の歴史にも登場する。ここから創作物における忍者の集団にも「~忍軍」という呼び名が使われる例があり、本作の「炎魔忍軍」も該当する。

なお、武者ガンダムシリーズ第5作「新SD戦国伝 伝説の大将軍編」(1993年~1994年)には、本作とまったく同じ表記の「炎魔忍軍」が登場しているが、SFC版の発売がほぼ同時期であり、偶然名前が被ったのではないかと思われる。

敬称 - Wikipedia

幕末編冒頭に、ハヤテと炎魔忍軍の「お館」との会話があるが、SFC版では「おやかた様」と表記されていたため、当時プレイしていた小中学生などは「親方」のことだと思っていた人もいたかもしれない。
リメイク版ではっきりした通りに、正しくは「お(やかた)様」である。上のWikipediaの「敬称 > 日本語の敬称 > 歴史」の項目を参照。
ハヤテはお館から「頭目」と呼ばれており、おぼろ丸からは「お(かしら)様」と呼ばれるが、こちらは炎魔忍軍の中の実働部隊としての長というような意味であろう。

坂本龍馬

とらわれの男こと、坂本竜馬の元ネタ。
江戸時代末期(幕末期)の志士であり、倒幕派として活躍するものの大政奉還直後に若くして暗殺された(1836年1月3日生、1867年12月10日没)。
暗殺前にも度々命を狙われており、幕末編ラストで「面白い」を選択した際には最終編ベストエンドでおぼろ丸が坂本竜馬を狙う曲者を撃退していることにも反映されている。
史実では故郷を脱藩していることや、上のWikipedia等の記述でもわかるとおり「キャラが立っている」ことから、幕末期の創作物では動かしやすいキャラとして数々の作品に登場している。一般的には司馬遼太郎氏の小説「竜馬がゆく」で一躍有名になり、漫画(後にアニメ化)「お~い!竜馬」で低年齢層にも受け入れられ、大河ドラマ、ゲーム作品と、活躍の幅を広げていったのであろう。
創作物においては「倒幕派(革命派)でありながら、武力行使は極力避ける(全く戦わないという意味ではない)」「日本国内のみならず海外にも目を向ける先見の明」といった面が描かれることが多く、本作のとらわれの男も、不殺(0人斬り)を成し遂げ自身の刀をおぼろ丸に渡す際のセリフに反映されている。本攻略にも不殺(0人斬り)の手順は掲載しているので、ぜひ一度はとらわれの男のセリフを見ていただきたい。
※本作も含め、「竜馬がゆく」「お~い!竜馬」などは、史実を元とした創作物である、という点には注意(エンタテインメントとして、または演出として、史実にない出来事が含まれている)。

史実の坂本龍馬の表記は「馬」が正しいのだが、本作では「馬」と表記されるので、ゲーム内のとらわれの男については「竜馬」表記とする。
(なお、現在の日本の学校教育においては「龍馬」「竜馬」どちらの表記でもよい、と決められている)
本作ではSFC版で使える漢字の制限のため「竜馬」とした可能性があるが、創作における坂本龍馬はあえて「竜馬」表記であることも多いので、そちらに(なら)っているのかもしれない。また、文字種制限がなくなったリメイク版でも「竜馬」表記のままである。

本作のとらわれの男は、見た目(デザイン)、土佐弁、北辰一刀流、拳銃を使用、刀が「陸奥守(むつのかみ)吉行(よしゆき)(SFC版では「ヨシユキ」)」など、史実の坂本龍馬のネタが多く含まれる。
ブーツを履いているのも坂本龍馬本人の写真で確認できる。
SFC版デザイン担当の青山剛昌先生によるとらわれの男のイラストは、縮れ毛から紋付の家紋まで、現在残っている坂本龍馬の肖像写真にかなり忠実(青山先生によるとらわれの男のイラストは、小学館のSFC版攻略本でしか見られない模様)。
幕末編エンディングで黒船が竜馬を救出に来るが、史実では当時、坂本龍馬が中心となり結成した海援隊や、倒幕派の各藩が蒸気船を所有しており、本作の黒船も蒸気船を所有している竜馬の同士が救出にやってきた、という描写だと思われる。

余談ではあるが、「ファイナルファンタジーVII」のキャラクターデザインで一躍名前を知られることになった野村哲也氏は高知県出身で、SFC版「ライブ・ア・ライブ」では土佐弁監修で携わっており、スタッフロールにも「TOSAーBEN TRANSLATION TETSUYA NOMURA」とクレジットされている。
土佐弁だけではなく、創作物においての方言は、わかりやすさを優先し「日本人なら誰でもわかる程度の方言」に抑えたテキストになることもしばしばあるが、本作はSFC版の時点で割ときちんとした(逆にいえば、標準語を基準とするとわかりにくい表現も混ざっている)土佐弁のテキストとなっている。地元・高知出身の野村氏が関わったためであろう。
(高知県の方言は土佐弁や幡多弁など違いがあり、史実の坂本龍馬が実際に話していた方言と、本作の土佐弁とがまったく同じかはわからない。筆者は方言には詳しくないため、詳細は調べていただきたい)

陸奥守吉行 / ヨシユキ

陸奥守吉行 (坂本龍馬佩刀) - Wikipedia

とらわれの男の武器の「陸奥守吉行(SFC版はヨシユキ)」だが、史実の坂本龍馬が所持していた日本刀と同名。
「陸奥守吉行」という刀工が制作したのでそのまま「陸奥守吉行」という。日本刀では刀の名前=制作した刀工、というのは一般的である。
正確には、「陸奥守」は受領名(官職名のようなもの)で、「吉行」部分が刀工の名前である。
坂本龍馬が所持していた「陸奥守吉行」を現在所蔵している京都国立博物館で、作品名が「刀 吉行作 坂本龍馬遺物」と登録されているのも、吉行という名前の刀工が作った刀だからである。
よってSFC版のように、この刀を「吉行(ヨシユキ)」と呼ぶのは間違いではない。
また、以上の経緯から、吉行が作った刀はすべて「(陸奥守)吉行」という名称になる。「陸奥守吉行」という刀は坂本龍馬が所持していたものしか存在しない、ということではない。実際、高知県立坂本龍馬記念館では、坂本龍馬が所持していたのではない「陸奥守吉行」を展示している。
また、坂本龍馬は「陸奥守吉行」以外にも日本刀を多数所持していたとのことであるが、龍馬の兄・権平から送られた品であること、龍馬自身も手紙で何度も「陸奥守吉行」について取り上げていること、暗殺された際に所持していたのがこの「陸奥守吉行」だったことなどから最も有名になっている。

坂本龍馬本人が所持していた「陸奥守吉行」は、本人の死後、甥の坂本直の元に渡り、北海道へ移住した際(坂本龍馬には生前、現在の北海道である蝦夷地の開拓構想があった)に「陸奥守吉行」も北海道へ渡ったのだが、1913年の「釧路の大火」に巻き込まれて刀が変形し研ぎ直され、その後に京都国立博物館へ寄贈された。しかし、刀の変形・研ぎ直しがあったため、本物かどうか長い間真偽不明だった。
SFC版の発売時も真偽不明のままだったが、2016年の調査で本物と判断され、更に2021年には研ぎ直される直前に取られたとされる押型が発見される。リメイク版発売の2022年直前に新たな発見があったことはなかなか感慨深い。

スクウェアのゲームでは、「ファイナルファンタジーVI」に武器「陸奥守」(「むつのかみ」表記)、「ファイナルファンタジーVII」に武器「陸奥守吉行」が登場して以降、本編やリメイク版追加要素として登場している。
(SFC版「ライブ・ア・ライブ」は、「ファイナルファンタジーVI」の半年ほど後の発売なので、先に登場したのは「ファイナルファンタジーVI」)
SFC版で表記が「ヨシユキ」、「ファイナルファンタジーVI」では「むつのかみ」だったのは、当時のスーパーファミコンの漢字表記の限界(収録できる文字数の限界)や、アイテムに設定できる文字数の限界が存在したためだろう。
リメイク版収録の英語版だと「Mutsunokami」となっている。海外版のファイナルファンタジーシリーズでもほとんどの作品で「Mutsunokami」表記なので(7作目は「Yoshiyuki」)、そちらに合わせたということかもしれない。
先に記した通り、「陸奥守」だけだと受領名のみになるので、日本刀の名前を表すという点においてはあまり相応しくはないのだが、ゲーム内の武器名なので気にしすぎる必要はないだろう。

とらわれの男の武器は「陸奥守吉行」のみで、銃の技(「威嚇射撃」と「抜刀狼牙射術」)については装備品に関係なく使用可能であり、ゲーム内ではどのような銃を使用しているかはわからない。
史実においては坂本龍馬は「S&W(スミス&ウェッソン)」のNo.2(型番)及びNo.1を愛用していたとのことである。
青山剛昌先生によるとらわれの男のイラストでも、「S&W No.2」っぽい拳銃を手にしている。

抜刀狼牙射術

とらわれの男の技は3種類で、その中で「北辰一刀流」は史実の坂本龍馬由来、「威嚇射撃」はそのままの威嚇射撃(敵の中にも使用する者がいる)だが、「抜刀狼牙射術」については、1983年~1987年連載の高橋よしひろ氏による漫画「銀牙―流れ星 銀―」における必殺技「抜刀牙」の中の「絶・天狼抜刀牙」が名前の由来か。

「北辰一刀流」については上も参照のこと。
坂本龍馬の遺品預かり書の写しには「北辰一刀流兵法箇条目録」「北辰一刀流兵法皆伝」「北辰一刀流長刀兵法皆伝」と記されている、つまり北辰一刀流の免許皆伝を習得している。
本作では技名になっているが、「北辰一刀流」は剣術と薙刀術の流派名であり、実際には技の名前ではない。

コピーロボット

「コピーロボット」は、藤子不二雄氏の漫画「パーマン」(1966年~1986年連載)に登場する、鼻を押すことで押した人物そっくりに変身するロボット。
起動させたおぼろ丸そっくりの姿に変身したロボット・カラクリ丸の元ネタであろう。
幕末編冒頭で、からくり源内がカラクリ人形の完成の報告と共に、「後は皮をはぎ中身を入れ替えるだけ」と言っているが、これはとらわれの男の皮を剥ぎ取り、それを被せたロボットを本人と入れ替えるという意味だろう。その割にはカラクリ丸はゼンマイを巻いただけでおぼろ丸とそっくりの姿になったので、「皮をはぐ」などと物騒なことをする必要はないようだが。
(大したことではないが、源内のセリフはSFC版だと「中味」、リメイク版だと「中身」とテキストが変更されている。意味としてはどちらの表記でも間違いではないらしい。詳しくは調べていただきたい)

カラクリ丸については、セリフがネコのように「にゃにゃにゃにゃにゃん!」だったり、ネズミに興奮するあたり、藤子・F・不二雄氏の漫画「ドラえもん」(※当初は「藤子不二雄」名義で発表)のネズミが苦手なネコ型ロボット・ドラえもんを彷彿とさせなくもない。

からくり - Wikipedia

カラクリ丸の仕掛けは、幕末期どころか現代においてもオーバーテクノロジーだが、一方で「ゼンマイで動く人型のカラクリ仕掛け」という点においては日本古来のからくり、「茶運び人形」「弓曳童子」あたりが元ネタであろう。

合言葉

合言葉 - Wikipedia

本作では合言葉がシステムとして登場し、「山」と問われた時に答える必要があるが、正解は「川」か「元」が一定時間で入れ替わるようになっている。
日本の歴史においては、「山」と聞かれて「川」と答える合言葉が有名。
特に有名なのは、赤穂事件において吉良邸への討ち入り(1703年)の際に「山」「川」の合言葉が用いられた件であり、創作物でも「合言葉のお約束」的に登場する。
(赤穂事件を元にした歌舞伎の演目が「忠臣蔵」であり、テレビドラマなどでも題材になっているため有名であるが、「忠臣蔵」では合言葉が変更されていて「天」「河」である)

万川集海 - Wikipedia

本作のように「時間によって合言葉を変更する」というアイディアは古くから存在し、1676年成立の忍術書「万川集海」の巻第九「中 近入の事」で、日によって合言葉を変えることが記載されている。

ちなみにこの「万川集海」には、男性が忍び込むには難しい時には女性をスパイとして潜入させる、という手法が記されており、これが女性忍者について記された最も古い記録であるらしいのだが、このスパイである女性のことを「くノ一」とは表現していない。元々、「くノ一」は女性を意味する言葉で女性忍者のことではなかったようである。
「くノ一=女性忍者」は1960年代以降の創作物で生まれた存在であるらしい。
本作には「全身タイツっぽい忍び衣装+ポニーテール」という見た目からして忍ぶ気のなさそうなくの一が登場する(一応、マップでは腰元の姿)が、この手のセクシー衣装なくノ一は、1963年の映画「真田風雲録」に登場するくノ一・むささびの霧が元祖であるらしい。

兼定 / 虎徹 / 菊一文字 / 村正

おぼろ丸の武器の刀は、すべて実在の日本刀が元ネタ。「菊一文字」はリメイク版追加武器。
「陸奥守吉行」の項目でも記した通り、日本刀の名称は、その刀を作った刀工の名前がそのまま付けられることが多く、今作の刀の名称も刀工の名前と同一である(「菊一文字」は由来が少し異なるので上リンク先を参照のこと)。

坂本龍馬の「陸奥守吉行」も含め、幕末に活躍した者が所持していた刀が多い。
「和泉守兼定」は新選組副長・土方歳三の佩刀、「長曽祢虎徹」は新選組局長・近藤勇の佩刀、「(菊一文字)則宗」は鎌倉時代に後鳥羽上皇に召し抱えられた刀工・則宗による日本刀(の総称)、「村正」は江戸時代に「徳川家に仇をなす妖刀」という妖刀伝説が広まってしまったものの、逆に幕末には倒幕派が好むようになったという刀。
新選組一番隊組長・沖田総司が「菊一文字」を所有していたとするのは、司馬遼太郎氏の小説による創作であるらしいが、リメイク版で追加されたことで、新選組の中でも特に名の知られた人物が所有していたとされる刀が揃ったことになる。
本作では宝箱や敵ドロップ、イベントで2振り目以降の各武器が手に入り(「菊一文字」は例外)、それぞれ複数存在することになるのだが、上で述べた通りに日本刀の名前=刀工の名前であり、同じ名前の刀が実際に複数存在しているのでおかしいことではない。また、贋作、偽物も多数あったために同じ名前の刀が多数存在している例も多いようである。

これらの刀は、スクウェアのRPGでも常連の武器として登場している。
また、先に上げた「ウィザードリィ」では「村正」が侍専用の最強の武器として登場しており、以降のRPGに影響を与えている。
AppleII用「Wizardry #1」の初期版では「MURASAMA BLADE!」、つまり「むらさま」となっているのだが、後に「MURAMASA BLADE!」に修正されている。

将軍 (小説) - Wikipedia

「MURASAMA」という表記は日本語的には明らかに誤字と思われるため、「南総里見八犬伝」に登場する架空の刀「村雨」と混同したのではないかという説もあったようなのだが、実際にはジェームズ・クラベル氏による小説「Shōgun(将軍)」に「Murasama Blade」が登場しておりそこから取った、というのが真相とのことである(参照:Wizardryは,連綿とつながる文化の鎖の1ピース――生みの親,狂王ことRobert Woodhead氏に聞く,その源流と80年代アニメの話 - 4Gamer.net)。

本作で「村正」を入手するには、隠しボス・魔神竜之介を撃破する必要がある。
幕末編ラストボスよりも強い隠しボスを撃破する必要があるほどに入手難易度が高く、そして実質的に幕末編におけるおぼろ丸最強装備であることは、「ウィザードリィ」での最強武器という設定が反映された結果であろう。
SFC版では敵キャラに「種族」という隠し分類が設定されているのだが、魔神竜之介は「物質」と設定されていることから、魔神竜之介は「村正」の化身だったのでは、という考察もあるようだ。

なお「ウィザードリィ」は「村正」だけではなく、システム、アイテム、モンスター、呪文など、あらゆる要素が黎明期の日本産RPGに影響を与えている。スクウェアの初期のRPGならだいたいの作品で何かしらの形で元ネタとされているほどである。
その「ウィザードリィ」自体もテーブルトークRPG「ダンジョンズ&ドラゴンズ」からの影響があるのだが、これ以上は話が横道に逸れすぎてしまうため、気になったら調べてみていただきたい。

Sa・Ga2秘宝伝説

1990年発売のスクウェアのRPG「Sa・Ga2秘宝伝説」には、幕末編同様、和風の第7世界・大江戸が存在し、本作との共通点がいくつかある。
商人のドロップアイテムでしか手に入らない腕装備品「悪のそろばん」だが、Sa・Ga2では第7世界の越後屋という敵からのドロップでしか手に入らない。Sa・Ga2での表記は「あくのそろばん」。
登場人物・ローニンの初期装備は、先にも上げた「むらまさ(村正)」。
また、第7世界のボス・大御所戦が天守閣の屋根で行われる点は、幕末編のラストバトルと共通する。

後にニンテンドーDSで「Sa・Ga2」「Sa・Ga3」がリメイクされた際には、「吉行」名義で陸奥守吉行が追加されている。

現在では、Nintendo Switch・Steam・スマホ用ゲームソフト「Sa・Ga COLLECTION」に「Sa・Ga2秘宝伝説」も収録されておりプレイ可能である。

源氏シリーズ装備

「源氏の兜」「源氏の小手」「源氏の鎧」「源氏の足袋」の源氏シリーズ装備は、ファイナルファンタジーシリーズなどスクウェアのRPGでもおなじみ。初登場は「ファイナルファンタジーII」。
最強クラスの防具一式であることも共通している。
SFC版では収録されている漢字の都合で「小手」以外はひらがなまたはカタカナ表記であったが、リメイク版では漢字表記となった。

スクウェアのRPGの源氏シリーズの元ネタは、「保元物語」「平治物語」などに記載された、清和源氏に代々伝えられたという8種の鎧「源氏八領」ではないかという説があるが、実際のところは不明。

源氏八領 - Wikipedia

かすていら

カステラ - Wikipedia

回復アイテム「かすていら」は菓子の「カステラ」から。
日本には室町時代に伝来したと言われており、宣教師がふるまった記録が残っている。
1626年に小瀬甫庵が記した豊臣秀吉の伝記「太閤記」内に「かすていら」と記されており、幕末期よりもかなり前より「かすていら」という名称でカステラが普及していたようである。
よって、幕末編に「かすていら」が登場するのは特に不思議ではないのだが、同じく回復アイテムの「てんむす」については1950年代に三重県でまかない料理として誕生したとのことであり、実は幕末期には存在していない(天ぷらや握り飯は江戸時代にも存在している)。

天むす - Wikipedia

リメイク版では、西部編で「クリスタルバー」が「クリスタルサルーン」に変更されるなど、ある程度は元ネタの時代・風俗に合わせた変更点があるのだが、「てんむす」についてはそのままである。

いんろう / 印籠

印籠 - Wikipedia

テレビドラマ「水戸黄門」のイメージがなんとなく強い「印籠」だが、江戸時代は携帯用の常備薬入れとして一般人も所持していた。
本作では、常備薬を入れていることから、使用すると回復するアイテムとして設定されたのだろう。
リメイク版ではアイテムの説明にも「中には味方を回復させる秘薬が入っている」と書かれている。

小判くれ壺

「ファイナルファンタジーV」には、見た目が壺の「マジックポット」という敵がおり、エンカウントすると「エリクサー」という貴重な回復アイテムを要求してくる。
与えると(個数はランダム)、いずれ逃げて大量のAP(アビリティポイント)がもらえる。
「ファイナルファンタジーV」は、APでアビリティ(能力・スキル)を習得していくシステムがあるため、「壺に貴重なアイテムを渡すと技を覚える」という本作の小判くれ壺に通じるネタになる。

以降のファイナルファンタジーシリーズにもマジックポットは登場し、逆に回復アイテムを味方に使ってくれる「ファイナルファンタジーVI」、経験値やお金、APも莫大にもらえる「VII」など、一風変わった敵であることは変わりない。

「ファイナルファンタジーVI」では、「エボシ岩の洞窟」というダンジョンで、「サンゴのかけら」というアイテムを規定個数以上宝箱に与えることで先に進めるようになり、その先で青魔法「グランドトライン」をラーニングできるヒドゥンというボスと戦うことができる。
このイベントも「規定個数のアイテムを与えることで技を覚える(ことができる敵と戦うことができるようになる)」という意味では小判くれ壺と似通っている。

リメイク版では、小判くれ壺から技を習得する時のセリフがSFC版から変更されているのだが、変な音楽の後に「かあ~~つ!!」というセリフでスキルを習得、最後に「したらな!」で締める、というパターンは、「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」のエッグモンスター・ランプキンのお祓いのイベントが元ネタになる。
本作はSFC版の時点でも「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」からのネタが多数含まれていたのだが、リメイク版で更にもうひとつ追加されたということになる。

悪代官ネタ

悪代官といえば時代劇に欠かせないネタである。
といっても、本作では家老が悪代官ポジションとしてお約束を披露してくれる。
商人から賄賂を送られ、お約束の「お主も悪よのお」「いえいえご家老様にはかないませぬ」のやりとりがあったり、百回しの家老による腰元の帯回しが見られる。
家老は敵として登場する際のスキルも「賄賂」(商人も使用)や「命乞い」だったりと、情けない悪役ポジションである。

鼠小僧

鼠小僧 - Wikipedia

幕末編のワタナベ親子は父親が「ネズミ小僧」と名乗っているが、後世に義賊として創作物が多数発表された鼠小僧(鼠小僧次郎吉、1795年?~1832年)が元ネタ。
創作物では「盗みに入るのは悪事で儲けた金持ちの家だけで、人を傷つけず、盗んだものは貧しい者に分け与えた」というような義賊設定になっているが、実際の鼠小僧は金持ちの家に盗みに入りはしたものの、貧しい者に分け与えたという事実はないらしい。
そして幕末編のワタナベ父は、盗みに入る目的はワタナベ家の再興であり、ついでに庶民に分ければ義賊として名が売れる、と私欲や損得勘定で行動していることがうかがえる。

天井裏に隠れていた曲者が何かの拍子で見つかり、階下から槍で突かれる展開も時代劇のお約束である。

五忍者

登場シーンからしても特撮ドラマ「スーパー戦隊シリーズ」が元ネタであろう。
五忍者のネーミングはシリーズ第1作目「秘密戦隊ゴレンジャー」(1975年~77年放映)からと思われる。
「秘密戦隊ゴレンジャー」は原始編において、ざきのスキルのネーミングの元ネタにもなっている。
なお、SFC版発売の1994年は、偶然ながら忍者モチーフの「忍者戦隊カクレンジャー」が放映された。

スクウェアのゲームでは、「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」の月イチイベントに「ゴニンジャー」が登場する。

敵の固有名称

藩士や強藩士などには戦闘時に固有名称がついているが、これらにも元ネタがある。

ひらがな3~4文字で、いかにも時代劇に出てきそうな庶民の男性名。
規則性は特にないようであるが、なぜか「きんじ」が二人いる。

藩士

「今 育蔵(いまいくぞう)」などのダジャレ。
全員の名前の最後が「蔵(ぞう)」で、終助詞の「~ぞ」の役割を果たしている。

強藩士

SFC版開発スタッフの名前をもじったもの。
ただし加藤清文氏(メインキャラクターアート担当)だけ、そのままである。
最後の「時田 獣神丸」は、ディレクターの時田貴司氏の名字と、時田氏が好きなプロレスラー「獣神サンダー・ライガー」を組み合わせている。

浪人

大学名から。
近代以前の「浪人」は「流浪する牢人」などの意味だが、現代における「受験浪人」とかけたものと思われる。
名前の「一郎」「二郎」……も、「受験浪人」において一年の浪人を「一浪」、二年なら「二浪」と呼ぶことからであろう。

「悪細」は「亜細亜」大学を元ネタにしたと思われる。
SFC版では漢字に「亜」の文字が収録されていないため、「悪」の文字を使用したのだろう(かつ、敵側なので「悪」そうな漢字を使ったのだろう)。

なおSFC版の「蔵美 五郎」はリメイク版で「蔵美 五郎」に変更されている。
「武蔵美」が特にひねりもなく、「武蔵野美術大学」の略称「武蔵美」そのままだったためだろうか。
他にもそのままな大学名もあるが、一般的に使われる名詞や地名などでも使われる名称のため問題はないのだろう。
選ばれた大学にも特に共通項はないようであるが、どのような基準で選ばれたのかはわからない。

忍者

SFC版では、1人パーティなら「アズサ(特急「あずさ」)」「シオサイ(房総特急「しおさい」)」など列車名、2人パーティは蛾、4人パーティはキノコ及び「アイゼン(愛染明王)」「フドウ(不動明王)」といった明王の名称で統一されている。
リメイク版では、使われている名称自体はSFC版と変わらないものの、なぜかパーティの人数との関係が崩れており、他の敵と同じく戦った数で名前が固定となっている。
なお、蛾が苦手な方は、上リンク先一覧の名称で検索をしない方が良いかもしれない。「シモフリスズメ」は「すずめ」とついているが「スズメガ」のことなので、検索すると蛾の写真が出てくる。

商人

●●屋で統一されており、時代劇に出てきそうな商人の名称が使われている、と思われる。
上に記した通り、越後屋の名前はSa・Ga2にも登場している。

家老

日野・立川・高尾・中野・小平の5人分の名前があるが、小平以外はJR中央線の駅名。
小平駅も実在の駅名だが、中央線からだと新宿駅で西武鉄道に乗り換えるなどして行く必要がある。
なぜこの5駅が選ばれたのかは不明。
また、スクウェアのゲームでは、1993年発売の「ロマンシング サ・ガ2」に登場する七英雄の名前も駅名(地名)をもじって命名されている。

腰元

当時の慣例の女性名で、ひらがな3文字、最初に必ず「お」がつく。
「時代劇の女性としてよくありそうな名前」が並んでおり、規則性は特にないようである。

くの一

すべて鳥類の名称なのだが、「ひたき」だけは「ヒタキ科」という鳥の分類名で、総称にあたるため「ヒタキ」という鳥はいない。
「つぐみ」「ひがら」「あおじ」はすべてスズメ目に含まれる鳥類の一種。
要するにすずめくらいのサイズの小さめの鳥の名称が使用されている、ということになる。

外国人

「ベリー」「ナイス」の2人のみだが、二人並べて「very nice」ということだろう。
また、幕末期に黒船で日本に来航したマシュー・ペリーの「ペリー」、幕末期に日米修好通商条約を締結したタウンゼント・ハリスの「ハリス」がかかっている可能性もある。

なお、このふたりのみがドロップする装備品「ピラピラえり / ピラピラ襟」だが、正式には「襞襟」という。

襞襟 - Wikipedia

虚無僧

「てっせん」「すいれん」「ばしょう」はそれぞれ植物の「鉄仙」「睡蓮」「芭蕉」から。
実際の虚無僧も尺八を吹くが、本作では使用スキル「謎の尺八」に反映されている。

お亀の方

徳川家康の側室「お亀の方」(1573年~1642年)が、「オカメの方」の名前の元ネタか。
ただしキャラクター像としては「おかめの面」などの滑稽な造形が元になっていると思われる。
また、半熟英雄シリーズの「あたし♥」「カトリイネ」のような「はた迷惑な女性キャラ」シリーズのひとりともいえる。
オカメの方の場合、リメイク版では倒しきった時に「美しい帯」をくれるようになったため、ただはた迷惑なだけのキャラからは一応脱している。

桃太郎侍

桃太郎侍 - Wikipedia

般若丸の元ネタで、山手樹一郎氏の1939年の時代小説。映画・テレビドラマ版が存在する。
テレビドラマ版において、主人公の桃太郎は般若の面で顔を隠し悪人を成敗するが、この時に「一つ、人の世 生き血を啜り」「二つ、不埒な悪行三昧」「三つ醜い浮世の鬼を」と数え歌を唱えながら斬り捨てていく。
数え歌は、本作での般若丸が順番に使うスキル「一つ人の世悪の元」「二つ不敵なヤサ男」「三つ見事に成敗の」「秘剣!鬼ケ島斬り」に反映されている。

一休さん

とんちボウズは、室町時代の臨済宗の僧、一休宗純(1394年~1481年)こと、「一休さん」が元ネタ。
一休が屏風の虎退治を行った際の頓知話が、本作のとんちボウズ&虎登場時の元ネタである。
演出は1975年~1982年放送のアニメ「一休さん」が元ネタになっている部分が多い。
木魚のポクポク音と共に一休さんが瞑想を開始し、閃いた時に「チーン」という効果音が入るのは、とんちボウズに話しかけた時の演出にも反映されている。戦闘中のドット絵で両手指先をこめかみに当てているように見えるのも、おそらく瞑想時のポーズからだろう。
主題歌「とんちんかんちん一休さん」は、とんちは一級品だがけんかはからっきしで三級品、というような歌詞なのだが、本作でとんちボウズを撃破した後のセリフ「三きゅうひんだぁ!!」/「三級品だぁ!!」(※SFC版/リメイク版)の元ネタであろう。下リンク先のアニメ第一話のオープニングを参照。

なお、木魚のポクポク音→「チーン」の演出は、近未来編での藤兵衛のアイテム改造時の演出でもオマージュとして使われている。

【公式】一休さん 第1話「てるてる坊主と小僧さん」 <1970年代アニメ> - YouTube

眠狂四郎

眠狂四郎 - Wikipedia

狂四郎の名前の元ネタ。
「眠狂四郎」は、柴田錬三郎氏の剣豪小説シリーズ(1956年~)の主人公の名前。眠狂四郎シリーズは映画・ドラマ・舞台化などもされている。
狂四郎が布団で眠っているのも「眠」狂四郎だからであろう。
狂四郎や魔神竜之介が使う「半月流殺法」は、眠狂四郎の「円月殺法」が元ネタと思われる。
「円月殺法」は催眠剣法であり、「半月流殺法」の眠りの追加効果に反映されている。

石川五右衛門

五エ門の元ネタ。
石川五右衛門は、安土桃山時代の盗賊(1558年?~1594年)。
フィクションでも盗賊キャラの元ネタになることが多々あるが、最も有名なのは漫画・アニメ「ルパン三世」の石川五ェ門であろう。
本作の五エ門が使うスキル「斬鉄剣」の元ネタは、「ルパン三世」の石川五ェ門の刀である。
また「斬鉄剣」は、ファイナルファンタジーシリーズでも武器や召喚獣・オーディンの技でおなじみ。

余談だが、本作では、セリフでの表記は「五ェ門」で、戦闘開始時に表示される名前は「五エ門」。
つまりセリフでの「ェ」は小書きのカタカナで、戦闘開始時は通常のカタカナの「エ」である。
リメイク版でも統一されておらず、表記はSFC版と同一である。

本作の五エ門は、囚われているものの逃がしてやると一部の宝箱の中身が復活するというメリットがある。この時、宝箱には五エ門からの置き手紙が追加される。
「ファイナルファンタジーV」「ファイナルファンタジーVI」には、こそドロいっぴきおおかみという、同じように囚われている泥棒キャラがいる。
「V」では「逃がすと一部の宝箱の中身を取られてしまう」「こそドロいっぴきおおかみの置き手紙がある」という、本作とは逆にデメリットしかないイベントが起きてしまう。
「VI」ではプレイヤーの行動に関係なく脱獄し、モーグリのモグを人質にとるというイベントが発生。モグを助けるとモグが仲間になり、見捨てると盗まれた「きんのかみかざり」を入手できる(モグは後に仲間にすることもできる)。
というように、特に「V」では「逃がしたのに恩を仇で返す」イベントが発生するため、「V」をプレイしたことがあると本作で五エ門を逃がして良いのか迷うかもしれない。本作ではデメリットはないので、アイテムを増やしたいのなら計画的に逃がすと良い(一応のデメリットは、100人斬りが不可能になる、五エ門からのドロップアイテムが得られない、という程度であり、やりこみ系のプレイでない限り困ることはない)。

天草四郎

天草四郎 - Wikipedia

江戸時代のキリシタン、江戸幕府に対して起こした島原の乱(1637年~38年)の中心人物、というのが一般的に知られた史実の天草四郎(本名:益田時貞)であるが、本作では、山田風太郎氏の小説「魔界転生」(連載:1964年~1965年、出版:1967年)及びその映画版(1981年)における天草四郎の影響が濃いと思われる。

魔界転生 - Wikipedia

小説「魔界転生」は、忍法「魔界転生」により死んだ剣豪らを蘇らせ、蘇った剣豪らがそれぞれの目的で戦う物語だが、映画版では天草四郎が島原の乱の後に蘇り、「エロイムエッサイム 我は求め訴えたり」の呪文で他の剣豪も蘇っていく、という流れになっており、本作は服装なども含め、映画版の天草四郎のオマージュになっていると思われる。
また、本作では天草をはじめとするボスクラスの敵を蘇らせたのは幕末編ラストボスの尾手院王である。

忍法帖シリーズ - Wikipedia

なお、「魔界転生」は山田風太郎氏の「忍法帖」シリーズに含まれる作品であり、「忍法帖」シリーズは、日本における忍者もの(ひいては現在にいたる能力バトルもの)に大きな影響を与えている。

YAIBA - Wikipedia

幕末編デザイン担当の青山剛昌先生は、現代を舞台としたアクション漫画「YAIBA」を本作デザイン前に執筆していたが、「YAIBA」は映画版「魔界転生」がインスピレーションの元になった、とコメントしている。
「YAIBA」にも歴史上の剣豪キャラが数多く登場し、本作の敵でもある「宮本武蔵」「天草四郎時貞」も登場する(「YAIBA」では武蔵は味方ポジション)。ただし本作とはデザインが異なるので、見比べてみても面白いだろう。

宮本武蔵

宮本武蔵 - Wikipedia

宮本武蔵は江戸時代の剣豪(1584年?~1645年)。二刀流の使い手であることは本作にも反映されている。
佐々木小次郎との巖流島の決闘も有名であるが、佐々木小次郎の技「燕返し」が、本作では「2刀燕返し」として武蔵が使うスキルに設定されている。
また、宮本武蔵も小説「魔界転生」で蘇った剣豪のひとりである。
本作でのビジュアルは、肖像画と映画版「魔界転生」の宮本武蔵を折衷したような見た目になっている。

平賀源内

平賀源内 - Wikipedia

からくり源内の元ネタ。
平賀源内(1728年~1780年)は江戸時代の人物で、オランダで発明された静電気発生機「エレキテル」を復元し見世物としたことから、現代のフィクションでも発明家キャラとして登場することがある。
本作でもスキルとして「エレキテル放電」を使用。また肖像画でキセルを持っていることからスキル「ナンバンギセル」、火をつけるための道具として石綿を「火浣布」と名付けたことからスキル「引火」を使うのだと思われる。

なお、「ナンバンギセル」は、「南蛮の煙管」の意味合いで使われていると思われるが、寄生植物の「ナンバンギセル」も存在する。

ナンバンギセル - Wikipedia

同じスクウェアのゲームでは、「ロマンシング サ・ガ2」に代々ヒラガ◯世を名乗る発明家の一族が登場するが、「ヒラガ」は平賀源内の名字から取られている。

淀君

淀殿 - Wikipedia

豊臣秀吉の妻(1569年~1615年)。正室か側室かについては色々と説がある模様。本名は浅井茶々。
最期に自刃していることが、本作のスキル「死にまする!」や「捨身」に反映されていると思われる。
本作では「淀君」だが、現在では「淀殿」が一般的である、というような諸々の事情は上リンク先か、実際に調べていただきたい。
その生涯は波乱に満ちており、後述の織田信長とは伯父・姪の関係に当たる。豊臣秀吉は家族の仇同然であるが、子を成して秀吉の死後はその子・豊臣秀頼の後見人となり実権を握るものの徳川家康により最終的に豊臣家は滅亡する。
淀殿は豊臣家滅亡の元凶のような扱いを受け、後世のフィクションで「悪女」として描かれることが度々あったため、本作でも敵として登場することになったのかもしれない。また、江戸幕府(徳川政権)に対し遺恨があることは間違いないため、戦乱の世へ戻す(江戸幕府を転覆させる)という尾手院王の配下として描かれることになったという可能性もある。
現在ではそのような見解は見直されつつあるという。つまり悪女扱いされたのは、徳川幕府が自身の正当性のために意図的に豊臣家を滅ぼしたのは淀殿だと広めたからであるらしい。
なお、織田信長と淀殿の間の仲は悪くはなかったという。

織田信長

織田信長 - Wikipedia

織田信長(1534年~1582年)は戦国時代から安土桃山時代にかけての武将・大名で、知名度が高く、「第六天魔王」を自称したり、異国への関心が高かったり、奇抜な人柄だったと伝えられたり、天下統一間近で本能寺の変で裏切られたりと、その業績や諸々から後世の創作物でも取り上げられることが多い。
本作の尾手(おで)院王(いおう)のモデルという説があるが、尾手院王が羽織っているマントが織田信長から上杉謙信に送られた「赤地牡丹唐草文天鵞絨洋套」っぽい、銃を所持、というあたりからであろう。
また、天下統一間近で無念の死を遂げたため、その恨み・憎しみは尾手院王の「戦乱の世に戻す」という目的に通じるかもしれない。

影武者 (映画) - Wikipedia

なお、赤いマント着用の織田信長のイメージは、1980年の映画「影武者」の織田信長(演:隆大介氏)のビジュアルの影響が大きいといわれている。
ここから、ゲームやアニメなどでも、織田信長といえば黒い鎧にマントなど、なかなか奇抜な格好をしていることが多い。
史実の織田信長がそのような派手派手しい格好をしていたかどうかまでは不明。どちらかといえば創作であろう。

また、尾手院王のセリフにある「短筒」は、小型の火縄銃のこと。
幕末期には、火縄式から進んだパーカッションロック式・実包を用いるメタリックカートリッジ式の拳銃が日本に輸入されて史実の坂本龍馬なども使用していたが、織田信長の時代だと16世紀に日本に伝来した火縄銃が使われていた。
尾手院王が「短筒」という言葉を使ったことからも、尾手院王が織田信長をモデルとしている説が存在しているのであろう。

ガマヘビ変化

幕末編ラストボスの尾手院王はガマヘビ変化へと変身するが、これは創作上の忍びの元祖ともいえる児雷也が使用する「蝦蟇(がま)の妖術」が元ネタと思われる。児雷也の物語「児雷也豪傑譚」が生まれたのも江戸時代後期、つまり幕末期である。
「蝦蟇の妖術」は、大蝦蟇に乗る、または大蝦蟇に変身する術のこと。
大蝦蟇(おおがま)」という、巨大ガマガエルの妖怪についても参照していただきたい。
妖怪の大蝦蟇は人の精気を吸うという伝承もあり、こちらはガマヘビ変化が使う技「吸血」に反映されている可能性がある。

また、「大凧」の項目でも紹介した「仮面の忍者 赤影」第1話「怪物蟇法師」では、終盤で敵の蟇法師が「忍法ガマ変化」で巨大ガマ蛙を呼び出している。変身した例ではないが、「忍者ものといえば大蝦蟇」の一例である。
「仮面の忍者 赤影」の大蝦蟇は本作のガマヘビ変化どころではない大きさだが、放送当時は第一次怪獣ブーム(第一次怪獣ブーム - Wikipedia)もあり、怪獣並のサイズの大蝦蟇の描写は受けたのだろう。本作における、「巨大な鯉」である岩間さまも、忍者ものにおける怪獣ブームからのネタかもしれない。
下リンク先で見ることが可能。

仮面の忍者赤影 第01話[公式] - YouTube

魔神竜之介&岩間さま

「ファイナルファンタジーV」の隠しボス「しんりゅう」と「オメガ」が元ネタ。
神竜之介の名前の中に「神竜」が含まれ、「しんりゅう」を撃破すると最強武器「ラグナロク」を入手できることと同様に、魔神竜之介を倒すと幕末編最強の武器「村正」が入手できる。
岩間を「ガンマ」と読む場合、ギリシア文字のオメガ「Ω」に対し、ガンマ「Γ」となる。
なぜ「ガンマ」なのかだが、SFC版開発スタッフによると当初は「オメガ」だったのだが、SFC版の少し前に発売されたファイナルファンタジーVIに登場する「ガンマ」(オメガのようなメカタイプの敵)に合わせたとのことである。

「岩間さま」は「いわまさま」なのか「がんまさま」なのか、読み方については、SFC版の時点ではゲーム内に特に記載がなく、攻略本には「いわま」とふりがなが振ってあった。
リメイク版でも「岩間さま」の読み方については説明がないのだが、リメイク版に収録の英語版では、「Load Iwama」という名前のため、「いわまさま」が公式と考えて良いようである。

「しんりゅう」は大波を発生させる全体攻撃「タイダルウエイブ」を使うが、岩間さまも全体攻撃「水呼び」を使う。またこの両者とも、戦闘に突入しても「逃げる」ことが可能。
「オメガ」は威力の高い「はどうほう」を使うが(メカの敵なので「波動砲」である)、魔神竜之介も横方向への電撃の攻撃「破道法」を使う。またこの両者とも、戦闘からは逃げられない。
「しんりゅう」「魔神竜之介」はボス戦用のBGMが使われているが、「オメガ」「岩間さま」は通常戦闘曲である。
というように様々な共通点、ネタが含まれている。
隠しボスだけに「ファイナルファンタジーV」でも「ライブアライブ」でも強敵だが、きちんと対策を練れば勝てる相手。だが初見殺しであることも共通である。

なお、オメガの「はどうほう」の元ネタは、アニメ「宇宙戦艦ヤマト」の宇宙戦艦「ヤマト」の艦砲・波動砲である。

旗本退屈男

小説家・佐々木味津三氏原作の時代小説「旗本退屈男」(連載:1929年~、同名の映画・テレビドラマあり)の主人公・早乙女主水之介の技「諸羽流正眼崩し」が、魔神竜之介が使う「静岩崩し」の元ネタと思われる。
原作小説は、日本において著作権が消滅しているため、現在では上リンク先の青空文庫にて無料で読むことが可能。

机竜之助

中里介山氏による幕末が舞台の時代小説「大菩薩峠」(連載:1913年~1941年)の主人公・机竜之助の技「音無しの構え」は、魔神竜之介などが使う「音無しの剣」の元ネタと思われる。
「竜之助」という名前も魔神竜之介と通じる。
小説「大菩薩峠」シリーズも日本において著作権が消滅しているため、青空文庫にて無料で読むことが可能。
下リンク先から、青空文庫で読める中里介山氏の作品一覧を確認できる。

作家別作品リスト:中里 介山 - 青空文庫

けっこんおめでとり

ファンからの15の質問に開発陣が回答した26周年記念生放送をリポート | ファミ通.com

隠しイベント「けっこんおめでとり」(見る方法は幕末編攻略参照)は、SFC版開発時、スタッフの結婚をお祝いするため仕込まれたイベントである。上のレポートのQ5の回答を参照。
このイベントが存在していることは以前から知られていたものの、SFC版攻略本にもイベントの存在自体が掲載されておらず、見るための条件が長い間不明なままだった。先達の検証により、発売から11年目にして条件が確定したことには感謝する次第である。
SFC版でゲーム起動後のデモ画面(タイトル後)を見ていると、おぼろ丸がこのイベントのある場所へ向かって走っていくのだが、これがヒントだとわかるプレイヤーはまずいなかっただろう。

そしてこのデモには、おぼろ丸が走っていく中、二の丸(リメイク版では「本丸御殿」)の軒下に商人が隠れる様子も一瞬映っていたりと、本編の隠し要素のヒントが複数収録されている。
とはいえ、「商人が隠れているヒント」であることに気づいたとしても、「けっこんおめでとり」のヒントまでも隠されているとは想像できないのではないだろうか。
リメイク版では幕末編のオープニング中に商人が隠れるのがしっかり映るので、かなりわかりやすくなった。

「おめでとう」ではなく「おめでとり」なのは、「半熟英雄 ああ、世界よ半熟なれ…!!」のエッグモンスター「おめでとり」を由来としているからである。



▼このページをシェアする

上へ