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現代編の趣旨もそうだが、プロレスをはじめ、格闘技ネタ・格闘ゲームネタが豊富。

高原 日勝

現代編主人公の名前は、実在の格闘家4人の漢字を一文字ずつとっているとSFC版攻略本などで明かされている。
「高」が田延彦氏、「原」が藤喜明氏、「日」が前田明氏、「勝」が船木誠氏から。
(髙田氏の「髙」はいわゆる『はしご高』に当たるが、ゲーム内では「高」表記)
前田日明氏は読みが「まえだ あきら」で、「日」の字は発音しないが、高原日勝も読みは「たかはら まさる」で、「日」は発音しないことが踏襲されている。

烈風正拳突き

初期状態から高原が使用可能な技「烈風正拳突き」は、1978年~1979年放映のロボットアニメ「闘将ダイモス」の主役ロボット「ダイモス」の必殺技と同名称であり、ネーミングの元ネタと思われる。
ダイモスの方の「烈風正拳突き」は、敵のロボットを吹き飛ばし、落下してくるところを正拳突きするが、このモーションまではさすがに本作では反映されていない。本作での「烈風」部分は、威力が「速」依存(リメイク版だと物攻・素早さ依存)であることに反映されていると思われる。
「正拳突き」自体は格闘技用語であり、簡単にいえばパンチである。詳細は上サイトなどを。

ラーニング

現代編のテーマのひとつ、「相手から技を食らって覚える」システムのこと。
SFC版ではこのシステムに具体的な名称はなかったが、リメイク版では「ラーニング」という名称で説明されるようになった。
「ラーニング」という用語及びシステムは、スクウェアのゲームだと「ファイナルファンタジーV」で初出で、「青魔道士が敵から特定の技(魔法)を食らった時に青魔法として覚える」仕組みである。
以降のファイナルファンタジーシリーズでも、少し名前を変えたりしつつシステムが存続している。
本作では現代編の高原以外でも、幕末編や功夫編(功夫編は逆ラーニングだが)でラーニングが可能だが、やはり現代編がメインであるのでここで紹介する。

現代編では「ラーニングした技で、他の対戦相手を効率良く倒す」ことも攻略上重要になるが、リメイク版では弱点・耐性属性の仕組みが新たに追加されたため、効率良く対戦相手を倒していくためにどのスキルからラーニングするか、弱点属性から考えていくという攻略方法も生まれた。
このあたりは他社のゲームではあるが、カプコンの「ロックマン」シリーズを彷彿とさせる。
「ロックマン」シリーズは複数のステージをプレイヤーが好きな順序でプレイしていけるが、各ステージのボスを倒すとそのボスに対応した武器が入手でき、その武器を弱点とするボスが他ステージにいるため、ステージのプレイ順が重視される。

ストリートファイターII

カプコンによる対戦型格闘ゲーム。1991年からアーケードで稼働、1992年にスーパーファミコンに移植され、SFC版の「ライブ・ア・ライブ」開発時期や発売時期は格闘ゲームブームを牽引する人気ゲームであった。
現代編デザイン担当の皆川亮二先生も、リメイク版発売時のコメントで、当時を「世の中は空前のスト2ブーム」と回想している。
現代編は対戦キャラ選択画面や、対戦開始前・後のキャラの顔の変化(倒された側がボコボコにされている)、リメイク版におけるラストボス撃破後のエコー付きダウンボイス、ゲームオーバー時のカウントダウン画面など、ストリートファイターIIのパロディが多く含まれている。
登場キャラのリュウは、赤いハチマキ、ザックを背負って最強を求める旅に出る、といった高原との共通点がある。

「ライブ・ア・ライブ」の作曲担当の下村陽子氏は、スクウェアに転職する前はカプコンに所属しており、「ストリートファイターII」の楽曲も手掛けている。
このため現代編の楽曲も「ストリートファイターII」っぽい雰囲気があるが、御本人はXで「KNOCK YOU DOWN!」について「アノ曲を彷彿とさせるとよく言われますが意識してませんよ。」とコメントしている。

現在では、Nintendo Switch / PlayStation4 / Xbox One / PC向けの「ストリートファイター 30th アニバーサリーコレクション インターナショナル」「カプコンアーケードスタジアム」にアーケード版の「ストリートファイターII」が収録されておりプレイ可能である。

対戦相手

高原の対戦相手(ラストボスも含め)の元ネタは実在の格闘家。
元となったのが名前程度の場合もあるが、外見・使用技・性格までも元ネタとそっくりなケースもある。

森部生士

ゲーム内でも「骨法」という言葉が登場するが、森部生士は骨法を創始したとされる日本武道傳骨法創始師範の堀辺正史(ほりべせいし)氏が元ネタ。
(※「骨法」については、様々な説があるため、上のWikipediaの記述も参照のこと)
森部のビジュアルも堀辺正史氏が元となっている。堀辺氏がSFC版発売頃に販売した書籍の表紙の写真などがわかりやすい(日本武道傳骨法會公式サイトの書籍一覧ページを参照)
骨法にある「浴びせ蹴り」「通し」(「通し」についてはゲーム内でも対戦前の解説にある)が、本作の「浴びせ蹴り」「通打」の元ネタである。
堀辺正史氏はプロレスラーとも交流をもち、彼らにも骨法の技を伝授している。

SFC版の取扱説明書では「森部生士」に「もりべせい」とふりがなが振ってあったが、リメイク版では「もりべせい」と、名前の読み方が堀辺氏と同じく「せいし」に変更されている。
ただし「もりべせい」のふりがなは、筆者が知る限り、SFC版取扱説明書のみであるし、SFC版でもゲーム内では「森部生士」にはふりがなや読み方の説明がないので、単純に「SFC版の取扱説明書のふりがなだけが間違いだった」という可能性もある。SFC版取扱説明書には他にもミスらしきものが散見されるため考えられなくはない。

ナムキャット

ナパ・キャットワンチャイ - Wikipedia

タイ王国出身の元プロボクサー、元WBC世界ミニマム級王者のナパ・キャットワンチャイ氏が元ネタ。
名前についてはほぼ間違いなく元ネタであると思われるが、ゲーム内での性格やビジュアルなどはナパ・キャットワンチャイ氏とは随分と異なる。

チューチャイ・ルークパンチャマ - Wikipedia

ナムキャットの技「パンチャマキック」の由来は、同じくタイ出身のムエタイ選手、チューチャイ・ルークパンチャマ氏からか。

なお「スパイラルニー」の方は「スパイラル(螺旋)」と「ニーキック(膝蹴り)」を組み合わせた技名になる。

グレート・エイジャ

武藤敬司 - Wikipedia

近未来編のプロレス中継に登場したムトーの元ネタ・武藤敬司氏のもうひとつの姿、グレート・ムタが元ネタ。
ただし近未来編のムトーと現代編のグレート・エイジャが同一人物に当たるのかは謎のまま。
(武藤敬司氏とグレート・ムタを同一人物とするのも場合によっては野暮であろう)
噛み付き攻撃もゲーム内で反映されており、特に「噛みつき(黄)」で毒状態になるのは毒霧攻撃も得意としていたため。
「フランケンシュタイナー」も得意技のひとつ。
また、本作の「トルネードプレス」のようなボディプレス技として「ムーンサルトプレス」をフィニッシュ・ホールドに使用する。
近未来編ネタ解説のページも参照のこと。

凶器 (プロレス) - Wikipedia

プロレスといえば凶器攻撃もおなじみで、グレート・ムタも凶器攻撃を使うプロレスラーである。
凶器攻撃では様々なものを投げつけることもあり(観客から缶を取り上げて使うプロレスラーもいる)、現代編のワタナベイベントもおそらくそこからのネタだろうが、観客が何かしらを投げるのは危険行為である。

トゥーラ・ハン

ヴォルク・ハン - Wikipedia

ロシアの総合格闘家で元軍人のヴォルク・ハン氏が元ネタ。
軍隊格闘術(コマンドサンボ)の指導にあたっていたこともあり、ゲーム内での説明「超大国の特殊部隊で、素手による殺人技の研究に取り組んでいる男」に反映されている。
競技引退後はロシアの都市トゥーラで格闘技道場を設立しているが、これがゲームでの名前「トゥーラ」の元ネタ。
サブミッション、つまり関節技が得意であり、使用技の「クロス・ヒールホールド」や、「スタンディング・アームロック」などもゲームに反映されている。

マックス・モーガン

ハルク・ホーガン - Wikipedia

アメリカのプロレスラー、ハルク・ホーガン氏が元ネタ。
ビジュアルにも反映されているが、リメイク版ではおそらく肖像権の都合で対戦相手選択画面などでのモーガンの画像からヒゲが削除されているが、ドット絵ではヒゲはそのままである。
ホーガン氏のラリアット「アックスボンバー」は「マックスボンバー」の元ネタ(ただし「アックスボンバー」とは見た目が異なる)。
「イチバーン!」と叫ぶセリフもゲームで採用されている。
なおリメイク版できけるボイス「セメントで行こう」は、プロレス用語(隠語)で「真剣勝負で行こう」の意味。

ハルク・ホーガン氏は著名なため、日本では他にもサブカルチャーの元ネタになっている作品があるが、格闘ゲーム「ワールドヒーローズ」シリーズ(初代は1992年発売)でもマッスルパワーという見た目がホーガン氏そのままのキャラがおり、こちらも肖像権の関係か、2作目(1993年)以降ヒゲが削除されている。

ジャッキー・イヤウケア

アメリカ・ハワイ出身のプロレスラー、キング・イヤウケア氏が元ネタ。
ジャッキー同様に巨漢であったが、キング・イヤウケア氏は相撲とは関係ない。
キング・イヤウケア氏の息子、ロッキー・イヤウケア氏もプロレスラーであり、「ジャッキー」の名前は「ロッキー」が由来の可能性がある。
功夫編では元ネタとしてジャッキー・チェン氏が上げられるが、こちらの「ジャッキー」からジャッキー・イヤウケアが命名されたかどうかはわからない(ジャッキー・チェン氏とイヤウケアの技などには特に共通点がない)。

実在したハワイ出身の力士としては、小錦氏、武蔵丸氏、曙氏などがおり、この三名はSFC版発売時に現役で角界で活躍していた。
特に、引退まで横綱に手が届かず、見た目もイヤウケアになんとなく似ている小錦氏は元ネタのひとつの可能性が高い。
力士かつ格闘家ということになると、ストリートファイターIIのエドモンド本田も元ネタと思われる。
エドモンド本田も横綱になれる実力がありながらその破天荒さで大関止まりであることや、張り手など相撲を活かした技を使用することなど、似通った設定がある。

なお、「アロハリテ」はハワイ語の挨拶「アロハ」と「張り手」からのダジャレである(説明するまでもないかもしれないが一応)。

オディ・オブライト

ゲーリー・オブライト - Wikipedia

アメリカのプロレスラー、ゲーリー・オブライト氏が名前の元ネタ。
「殺人風車」「殺人スープレックス」といった異名の持ち主。
ただし名字と異名が元ネタになっているというだけで、もちろんゲーリー・オブライト氏はオディ・オブライトのような残虐な人物ではない。

プロレス技

プロレス技 - Wikipedia

「ローキック」「エルボー」といった他シナリオにも登場する技から、高原がラーニング可能な「ジャーマンスープレックス」「フランケン・シュタイナー」「浴びせ蹴り」「アームロック」など、実在の技が元ネタかつ名前がそのままゲーム内で採用された技は数多い。
高原が初期状態で覚えている「胴回し回転蹴り」も実在の技である。
ほとんどの場合で、技のモーションにも反映されている。

ナムキャット、トゥーラ・ハン、マックス・モーガンが使う技の中で、ラーニング不可な「ローキック」「エルボー」「イナズマアッパー」「ヘビーブロウ」は、近未来編ではアキラと無法松の技として設定されている。現代編と近未来編のつながりを示唆するものか、舞台となる年代が比較的近いが故のネタか、プロレスネタなのか、そのあたりは不明。

DDT (プロレス技) - Wikipedia

「DDT」というプロレス技もあるが、オディ・オブライトの「アクロDDO」の元ネタと思われる。
「DDT」の由来は複数あるが、最後の文字を自身の名前のイニシャルにして使用するプロレスラーもいることから、オディ・オブライトのイニシャル「O」を最後の文字と入れ替えた「DDO」になっているのだろう。

猫だまし

猫騙し - Wikipedia

森部生士の技「猫だまし」は相撲の戦法の一種で、両手を打って鳴らすことで対戦相手をひるませる奇襲戦法のこと。
ゲーム内でも森部が相手に向かって移動し効果音と光が出現した後、相手が飛び上がる、という、相手が驚いたように見える演出がついている。

機動武闘伝Gガンダム

リメイク版のみのボイスネタ。
リメイク版では高原日勝のボイスに関智一氏、森部生士のボイスに秋元羊介氏が採用されたが、このふたりはそれぞれ、アニメ「機動武闘伝Gガンダム」の主人公・ドモンとその師匠・東方不敗マスター・アジアの声を担当している。
諸事情でドモンと敵対することになる東方不敗との熱いドラマはGガンダムのストーリーの軸のひとつでもあり、役柄を意識した上での本作でのキャスティングと思われる。
また、現代編ラストバトルで「大激怒岩盤割り」を使った時の「俺の怒りが大地を砕く!」という限定ボイスは、ドモン操るシャイニングガンダム(後にゴッドガンダムに乗り換え)の必殺技「シャイニングフィンガー(ゴッドガンダムでは「ゴッドフィンガー」)」の口上「俺のこの手が光って唸る! お前を倒せと輝き叫ぶ!~」が元ネタと思われる。
偶然であろうが、Gガンダムに登場するボルトガンダム(ドモンのライバルキャラのひとり、アルゴ・ガルスキーの機体)の必殺技「炸裂ガイアクラッシャー」が、地面を殴って大地を隆起させるという、「大激怒岩盤割り」に似たモーションになっている。
(「地面を殴りつけて衝撃波で攻撃」といった技は他のフィクションでも多数存在する)

また、トゥーラ・ハンのボイス担当の大塚芳忠氏は、Gガンダムではドモンのライバルキャラのひとり、チボデー・クロケット役であったが、ハンとチボデーはキャラクターが全く異なる。

「機動武闘伝Gガンダム」の放送は1994年4月~1995年3月と、SFC版発売時期と被っていた。
「ガンダムで格闘技」というコンセプトがあったGガンダムもまた、当時の「ストリートファイターII」による格闘ゲームブームの影響を受けている。
近未来編のデザイン担当、島本和彦先生はアニメ「機動武闘伝Gガンダム」デザイン協力に関わり、後に漫画「超級!機動武闘伝Gガンダム」も執筆。漫画にはブリキ大王が(ストーリーに直接関係のない部分でちらりとだが)出演したこともある。
また、ドモンと高原は赤いハチマキの武闘家という共通点もある。

なお、Gガンダムには「ウォン・ユンファ」という登場人物がいるが、功夫編の「ウォンの町」「ユンファの市場」と名称が被ったのは時期的にも偶然であろう。
Gガンダムでは、香港映画「男たちの挽歌」の主演チョウ・ユンファ氏から「ユンファ」を取っており、「ウォン」に至っては東アジアの漢字文化圏での一般的な名前なので元ネタが多数考えられる。一番有り得そうなのは、サモの元ネタとなったサモ・ハン・キンポー氏を日本で一躍有名にした主演作「燃えよデブゴン」における主人公の名前「ウォン・ロン」ではあるが、実際のところは不明。



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