基礎知識
戦闘関係
前ページの続き。
レベル・命中・回避がダメージ量計算に関わっているかどうかの検証は、以下の順序で行った。
キューブが影に「スピンドライブ」で攻撃した際のデータを取ってみた。
「スピンドライブ」は、これまでの検証で「武器の攻撃力」「素早さ」「物攻」依存であることが判明している。
また、以前に検証した際のキューブのデータは、命中・回避ともに98とかなり高めのものである。
つまり、極端に命中・回避が高い場合と、ごく一般的な値との比較ができる。
今回は、武器に虎の小手(+0)のみ装備、影に「スピンドライブ」を正面から当てる方法で調査した。
取ったデータは、「強化パーツ」を1個使った命中・回避23のデータと、10個使った命中・回避32のデータ、更に以前検討した、強化パーツを76個使って命中・回避98のデータに更に試行回数を追加したものである。
各データは「最大値÷最小値がほぼ1.5になるまで、または上限200回」としている。
| スピンドライブ | |||
|---|---|---|---|
| 命中 | 23 | 32 | 98 |
| 回避 | 23 | 32 | 98 |
| 最大 | 261 | 261 | 261 |
| 最小 | 175 | 174 | 174 |
| 最大÷最小 | 1.491 | 1.5 | 1.5 |
※スピンドライブの全データはレベル・命中・回避の検討 - Googleスプレッドシート
以上から、命中や回避を変化させても、スキルのダメージ量は変動しない、と見て良いだろう。
強化パーツはついでにHPも上がっているが、HPも特に影響していないようだ。
命中や回避がダメージ量計算には関係しない、という前提で考えてみる。
以前に軽く調べたところ、「フランケン・シュタイナー」のダメージ量は「武器の攻撃力」「特攻」に依存していた。
そして、高原日勝は、レベルアップで「特攻」のみ、初期値の25から変化しない。
つまり、高原の装備を固定したまま、レベルだけ上げつつ、「フランケン・シュタイナー」のダメージ量を記録した結果、増加していくようなら「レベルの値はダメージ量計算に関わる」と考えて良いはずだ。
まず、改めてざっと、「フランケン・シュタイナー」のダメージ量が武器の攻撃力・物攻・物防・特攻・特防・素早さのどれに依存しているか、検討してみた。
高原のレベルは26。
最大÷最小が1.4以上になる程度まで試行している。
武器は基準値として初期装備の「バンデージ」(攻撃+5)、攻撃のみ上げる時は「妙子のパンチ」(攻撃+16)を使用している。
| フランケン・シュタイナー | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 攻撃 | 5 | 16 | 5 | 5 | 5 | 5 |
| 物攻 | 99 | 99 | 150 | 99 | 99 | 99 |
| 物防 | 72 | 72 | 72 | 115 | 72 | 72 |
| 特攻 | 25 | 25 | 25 | 25 | 150 | 25 |
| 素早さ | 99 | 99 | 99 | 99 | 99 | 150 |
| ダメージ最大 | 97 | 110 | 96 | 95 | 136 | 97 |
| ダメージ最小 | 65 | 75 | 66 | 65 | 96 | 67 |
| ダメージ平均 | 81 | 92.5 | 81 | 80 | 116 | 82 |
| 最大÷最小 | 1.492 | 1.466 | 1.454 | 1.461 | 1.416 | 1.447 |
※フランケン・シュタイナーの全データはレベル・命中・回避の検討 - Googleスプレッドシート
「フランケン・シュタイナー」のダメージ量は「武器の攻撃力」「特攻」に依存で間違いない。
余談だが、「フランケン・シュタイナー」には特防ダウン(小)の追加効果があり、影が特防ダウン(小)状態になると、「フランケン・シュタイナー」のダメージ量が倍近くまで上昇するので、敵側の依存ステータスは「特防」である。
もちろん、特防ダウン(小)状態になった影に対して「フランケン・シュタイナー」を当てた時のダメージ量は、今回の測定では外してある。特防ダウン(小)状態になったら、ステイ等で待機して影のステータスダウンが消えるのを確認した。
なお、他にも酔い状態や特攻ダウン(小)の追加効果もあるが、この時にはダメージ量の変動はなかった。
「フランケン・シュタイナー」での検証は、以下のように行った。
高原の装備は「バンデージ」のみで統一し、影の正面から「フランケン・シュタイナー」を当てている。
また、データは「最大÷最小ができる限り1.5に近い数値になるまで」取っている。
最大値と最小値が確実に取れたかどうかまではわからないが、取れていないとしてもおそらく、ズレは1程度に収まっているはず。
この手順でデータを取り始めたところ、2.における高原のレベルが2のデータの時点で、レベル99のデータより明らかに低いダメージ量となっており、レベルの値がダメージ量に関わっているのはほぼ確実と思われた。
また、レベルを上げていくと、ダメージ量が増加していくのも確認できた。
レベル25まで上げたところで、レベル99のデータと同一となり、念の為レベル27までデータを取ったが変化がなくなった。
詳細なデータは以下の通りである。
| レベル | 最大値 | 最小値 | 平均 | 最大÷最小 |
|---|---|---|---|---|
| 2 | 23 | 15 | 19 | 1.533 |
| 3 | 26 | 18 | 22 | 1.444 |
| 4 | 29 | 20 | 24.5 | 1.450 |
| 5 | 33 | 22 | 27.5 | 1.500 |
| 6 | 36 | 24 | 30 | 1.500 |
| 7 | 39 | 26 | 32.5 | 1.500 |
| 8 | 42 | 28 | 35 | 1.500 |
| 9 | 46 | 31 | 38.5 | 1.484 |
| 10 | 49 | 33 | 41 | 1.485 |
| 11 | 52 | 35 | 43.5 | 1.486 |
| 12 | 56 | 37 | 46.5 | 1.514 |
| 13 | 58 | 39 | 48.5 | 1.487 |
| 14 | 62 | 41 | 51.5 | 1.512 |
| 15 | 65 | 43 | 54 | 1.512 |
| 16 | 68 | 46 | 57 | 1.478 |
| 17 | 71 | 48 | 59.5 | 1.479 |
| 18 | 75 | 50 | 62.5 | 1.500 |
| 19 | 78 | 52 | 65 | 1.500 |
| 20 | 81 | 55 | 68 | 1.473 |
| 21 | 85 | 57 | 71 | 1.491 |
| 22 | 88 | 59 | 73.5 | 1.492 |
| 23 | 91 | 61 | 76 | 1.492 |
| 24 | 94 | 63 | 78.5 | 1.492 |
| 25 | 97 | 65 | 81 | 1.492 |
| 26 | 97 | 65 | 81 | 1.492 |
| 27 | 97 | 65 | 81 | 1.492 |
| 99 | 97 | 65 | 81 | 1.492 |
※フランケン・シュタイナーの全データはレベル・命中・回避の検討 - Googleスプレッドシート
影を相手に高原が「フランケン・シュタイナー」を当てる場合、
ということがわかった。
つまりリメイク版でも、SFC版と同じく敵に「レベル」の値が設定されており、
という、SFC版に似た仕様があるようだ。
ただし、前ページで紹介した通り、SFC版の「Fシュタイナー」では、ダメージ量の頭打ちは高原のレベルが23から起きている。
リメイク版だと25であるから、「SFC版とはレベル関係の計算式が変更された」または「影のレベルが変更された」、もしくはその両方が起きているのだろう。
レベルを1上げた時のダメージ増加量だが、レベル2での平均ダメージ量を19、レベル25での平均ダメージ量を81として計算すると、増加量は、
(81-19)/(25-2) = 62/23
約2.7となる。
「ダメージ量が平均で2~3程度増加する」と上に記したが、実際には2.7程度と思われる。
整数値ではない、つまり計算結果が小数点以下の数字になった場合、四捨五入などして処理した結果が実際のダメージ量ということになるから、平均ダメージ量が2増えたり3増えたりとばらついているように見えるのだろう。
また、増加量がSFC版の850/256(約3.32)よりも低いことは間違いない。
そもそものダメージ量自体もSFC版とはかなり異なる。
ダメージ量の基礎値のようなものも含めて、SFC版から係数や定数の類は変更されているのだろうが、大雑把な仕組み自体はさほど変更されていないのだろう。
もちろん、上昇量はスキルや敵味方のステータスで変化するはずである。
今回の検証では、影の真正面で「フランケン・シュタイナー」を当ててダメージ量を記録する都合で、影から攻撃をくらい、高原がカウンターで「アームロック」を出すことがしばしばあった。
「アームロック」の依存ステータスは「フランケン・シュタイナー」と同じく、武器の攻撃力と特攻なのだが、たまに出る「アームロック」のダメージ量は大して上がらなかった。レベル2とレベル99の差は、せいぜい平均で10~20というあたりであった。
細かい計算式まで求めるのは難しいが、とにかく今回判明したのは、
といったあたりだろう。
強敵を相手にする時、どうしても勝てないならレベルを上げるという手段は、ダメージ量が上がるという意味でも有効なのである。
一方でキューブはレベルアップしないので、「強化パーツ」を幾つ使っても、レベルアップでのダメージ量増加は起こらないのだが、だからといって不利だということはほぼない。そもそも「レベルの値がダメージ量に関わっている」ということは、(筆者含め)普通にプレイしているだけではまず気付けないだろう。
レベルを1上げることで増えるダメージ量は、今回だと平均2.7程度であったが、今作はダメージ量の乱数でのブレが±20%程度あるため、ブレ幅に比べるとレベルによるダメージの影響は少なめである。
物攻・特攻・素早さといった他のステータスでもダメージ量が増減することもあり、キューブは装備でステータスを増加させることも可能なので、これといってデメリットに感じることはないだろう。
とてもややこしいが、SFC版に倣って大雑把にダメージ量計算式を書いてみると、以下のような感じになりそうである。
書いた筆者本人もややこしくわかりにくいと思う。
{(「※スキル固有の基本ダメージ量」+「攻撃するキャラのステータスから計算された値」−「攻撃されるキャラのステータスから計算された値」)×「耐性属性または弱点属性があるならその倍率」+「武器の攻撃力」}×「0.8~1.2の乱数」−「防具の防御の値の合計」
「※スキル固有の基本ダメージ量」 = min(max(「スキル固有の基礎値」+(「攻撃するキャラのレベル」−「攻撃されるキャラのレベル」),1),「何らかの定数」)×「スキル固有の定数」
*min(a,b)はa,bのうち最小の値を取る関数、max(a,b)はa,bのうち最大の値を取る関数
小数点以下の処理は四捨五入と推測される
余談だが、「フランケン・シュタイナー」は、敵に命中しない場合は使用者自身がダメージをくらうことになる。
影を相手に正面から当てた場合、レベル2の高原だと、「フランケン・シュタイナー」の命中は5~6割程度というあたりであり、低レベルの間は高原が自爆含めて影からの攻撃も食らうことから、何度も戦闘不能状態になった。つまりこういう検証をするのであれば、回復役やオトリなど、他のパーティメンバーがほぼ必須である。
レベルを上げると明らかに命中率は上がり、だいたい高原のレベルが11以降はほぼ「フランケン・シュタイナー」が必中となった。